行動

kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)

« マーフィー 100の成功法則 81 | メイン | こころの化学方程式 12  1,2-Dibromoethane »

2011年7月12日 (火)

母性愛 この偉大なる鈍感力  鈍感力 渡辺純一氏

母性の愛は、鈍感力の最たるものです。
自分のお腹を痛めて産んだ子供がやることは
すべて愛しくて、許せる。
この許せる気持ちそのものが
まさしく鈍感力を産みだす原点になるのです。

乳を与える姿

 赤ちゃんに母乳を与える行為は、母親としてまずやらねばならない第一歩です。
授乳は子供への命綱であり、それなくしては子供が育つことはできません。
 それだけに、どんなに美しい母親も敢然と胸を広げてお乳を与えますが、この
とき母親はその行為に喜びを感じこそすれ、恥ずかしさや照れくささを感じること
はほとんどないでしょう。
 そんなことより、まず子供になんとか乳首を含ませ、自分の乳房を搾ってでも、
乳を呑ませることしか考えません。
 この、子供に懸命に乳を呑ませようとする、この行為はまさしく鈍感力そのもの
です。いいかえると、鈍感力なしにこんなことはできません。

夜泣きも平気

 母親は子供の泣き声やぐずる声に絶えず悩まされます。子供の泣き声はまさしく
子供の訴えであり甘えであり、生きている証でもあるのです。
 でも多くの母親は、この子供の泣き声がさほど気になりません。それどころか、
母親にとっては単なる泣き声というより、子供が懸命に自分に呼びかけ、甘えてい
る愛のメッセージときこえるのです。
 この泣き声に平気になれる過程も、そしてなれる状態も、まさしく鈍感力のおか
げです。そして、母親だからこそ、こういう状態に馴染んでいけるのです。
 この無神経さ、鈍感さは、母親だけに与えられた能力であり、逞しさです。

愛しい汚さ

 子供がやや長じていわゆる離乳期になっても、母親の素敵な鈍感力は衰えること
はありません。
 自分のお腹を痛めて産んだ子供がやることはすべて愛しくて、許せる。
 この許せる気持ちそのものが、まさしく鈍感力を生みだす原点になるのです。
 そして母親は、汚い状態に鈍感になるのではなく、愛する子供の汚さにかぎって
鈍感になれるのです。

子を許す母

 もっとも強く偉大なものは、罪を犯した我が子を許す母親の寛大さです。
 四面楚歌の犯罪者に対して、唯一、心から救いの手を差しのべられるのは、母親
です。
 見方によっては、これほど悪に鈍感で、ひとりよがりなことはありません。
 しかも多くの人たちは、この母親の身勝手な鈍感力だけはひはんせず、静かに
見守り、これだけは誰も罵り非難することはできません。
 一人でも子供を産んで育てたという、そのことによって母親はもはやなにごとが
起きても揺るがない、鈍感力を身につけることができるのです。
 子供を産んだことがある女性と、ない女性。そして子供を産めない男性たち。
そのあいだには、この決定的な鈍感力の違いが生じ、これがその後の生き方にも
大きく影響を与えます。
 やはり子供を産んだことがない女性、そして男性は、母としての圧倒的な鈍感力
を身につけていない分だけ、どこかひ弱で脆いのです。そして子供を産んで育てた
女性は、いざというときに、信じられない強さと逞しさを発揮します。
「母は強し」というのは、まさにこのことをいうのです。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.blog.enjoy.jp/t/trackback/539384/26766110

母性愛 この偉大なる鈍感力  鈍感力 渡辺純一氏を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

フォトアルバム
Powered by Six Apart
Member since 05/2011