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kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)

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2013年10月

2013年10月31日 (木)

「限りなく少なく」豊かに生きる ドミニック・ローホー

9.「エゴ」を追放し、透明な自分になろう

  人間的に成熟したいなら、物乞いレースはしない

 

 自分の利益のためだけに、打算で考える人の見解は、いづれ行き詰まりを 見せます。

 たとえば、自分の才能の評価をもっと高めたい、またはもっと美しくなり たい、より金持ちになりたいと思う人は、つねに何かを得ようとすることを 目標としています。

 これがエスカレートしていくと、次第に物乞いレースのように際限なく要 求し、自分の存在を確かめるために、いつも人の目を気にするようになって いきます。

 こうした生き方は次第にその人を束縛していき(もっともこれは本人がそ のことに気づいたときに理解することですが)、何歳になっても若いときの ままのキレイさを保ちたいなどと、「自由」どころか「制約」を感じるよう になるのです。

 このような場合でも、その人が利己的な考え方を捨ててみると、世間でく り広げられている裏工作や外部圧力、不安定な状況などに振り回されなくな ります。

 そしてその見返りとして、他者に報いるための「成熟さ」と「忍耐力」が 身につくのです。

 

ドミニック・ローホー著

講談社

2013年10月30日 (水)

「限りなく少なく」豊かに生きる ドミニック・ローホー

9.「エゴ」を追放し、透明な自分になろう

 

「私」というレッテルを剥がしてみると、無名の状態、いうなれば透明な自分になり ます。自分をつなぎ留めるものもなくなります。肩肘を張る必要もなくなります。

 そこで味わう解放感とは、たとえば、意識的に名刺を持たない、狭くても清潔で快 適な「自分の棲家」を持つ、独身、未亡人、または社会的地位が低くてもそれをまっ たく恥じない、あるいは、人よりも秀でていることをあえてひけらかさない、などな ど……。

「私」のレッテルを剥がすとは、とどのつまり意識して自分の本当の姿を認めること なのです。これこそが、真の安らぎと知恵(ここでは知性の意味)を得るための秘訣 なのかもしれません。

 

ドミニック・ローホー著

講談社

2013年10月29日 (火)

「限りなく少なく」豊かに生きる ドミニック・ローホー

8.シンプルに「考える」練習

 

 95歳になった自分を思い浮かべて慈しむ

 

 私たちはどうして死を恐れるのでしょうか?  決してそれが苦しいからではないでしょう。  なぜならば、生きるほうが苦労はつきもので、ずっと苦しいはずだからです。  死ぬのが怖いと思うのは、私たちにその準備がまだできていないからではな いででしょうか?  恐れとは、ひとつ克服してもまた新たに別な恐れが生じます。

 あなたがすでに20歳を超えた年齢であれば、老いること、愛する人たちを 失い、ある日自分も死んでしまうという事実を淡々と受け入れましょう。

 まずは95歳になった自分を思い浮かべて、その老いた自分を慈しむことか ら始めてみるのです。  避けて通れないことから逃げていても埒が明きません。人生を目いっぱい満 喫しようとする気持ちが、自分を元気にする「バネ」の働きをしてくれます。

 

ドミニック・ローホー著 講談社

2013年10月28日 (月)

「限りなく少なく」豊かに生きる ドミニック・ローホー

8.シンプルに「考える」練習

 

 頑なな思いや固定観念を捨てると心は軽くなる

 

 今後、あなたが柔軟な心と精神、軽快なフットワークで生きていけるように、頭を よぎるさまざまな「考え」をできるだけ切り捨てましょう。

 私たちを傷つけているものが、実は頑なな思いや融通のきかない固定観念であるこ とに気がつけば、ずっと心は軽くなります。

 何ごとも、自分の理解がおよぶ範囲内でとりあえず満足してみる。たとえば一枚の 絵画を鑑賞しているときに、何もあなたはわざわざ言葉で感想をコメントする必要な どないのです。

「なぜだかわからないけども、この絵画が好き」と感じるのであればそれで充分では ありませんか?

 ただその絵を楽しめはいいのです。

 どうしても理解できないことがあるということを受け入れるのも、知的な「謙遜」 なのです。

 人生に限界があるのに対して、知識は無尽蔵です。

「無尽蔵の知識を追い求めて、限りある人生を惑わすことは疲れるだけ」と荘子も言 っています。

 

ドミニック・ローホー著 講談社

2013年10月27日 (日)

「限りなく少なく」豊かに生きる ドミニック・ローホー

8.シンプルに「考える」練習

 何ごとも堅苦しく考えない

 

 道端に捨ててあるタバコの吸い殻を見つけて、それを捨てた不道徳なスモーカーを 非難する前に、その吸い殻をあなたが代わりに拾って捨ててみてください。腹が立つ どころか、逆に気持ちが穏やかになってくるのがわかると思います。

 何ごとも堅苦しく考えないこと。

 人生の矛盾を、何としてでも解決しなければならないといった義務感にとらわれず に、日々生じる疑念や一見理不尽な出来事も、それはそれとして享受する能力のこと を、ドイツの哲学者カントは「否定的能力」と呼んでいます。

 そしてそれには喜びや苦悩がともなうこともあります。

 なぜならば、人生の豊かさとは、結局はこのような矛盾に満ちたものだからです。

 

ドミニック・ローホー著

講談社

2013年10月26日 (土)

「限りなく少なく」豊かに生きる ドミニック・ローホー

8.シンプルに「考える」練習

 リストにすると思い出が厳選できる

 

 本の中で見つけた自分にプラスになる文章や、好きなフレーズを綴った読書ノート をつけたり(その後本は手放します)、気の利いた会話、詩、夢などをメモしていく と、知らないうちにさまざまなリストができます。

 リストという名のこの「道具」は、私たちの記憶を助け、私たちに直接語りかけて くれる思い出となります。

 

ドミニック・ローホー著

講談社

2013年10月25日 (金)

「限りなく少なく」豊かに生きる ドミニック・ローホー

8.シンプルに「考える」練習

 仕事の合間に神社や寺で内省にふける

 

 自分の頭が混乱していることに気づくこと、これが明晰さを取り戻すための初めの 一歩です。

 当たり前のことですが、頭を占める悩みについては、まずは何が問題なのかを整理 してみる必要があります。

 ガンジーの言葉のように、「鎖は解かれ」て、初めて解決策が見つかるのです。

 ただし、この作業には時間がかかります。さあ、その時間、どこで確保したらよい でしょうか?

 公園やカフェでは騒々しいし、気が散ることが多いので、街中の小さな教会(日本 の場合は神社や寺)が静かで、内省にふけるにはお勧めです。

 

ドミニック・ローホー著

講談社

2013年10月24日 (木)

「限りなく少なく」豊かに生きる ドミニック・ローホー

8.シンプルに「考える」練習

 朝一番、数分の瞑想タイムが心を軽くする

 

 心を軽くするためのもっとも手っ取り早い方法は、もしかするとさっさと寝てしまい、 翌朝早く起きることかもしれません。

 夜になると考えも暗くなりがちです。夜間の活動が朝に比べて不健康的になりやすい ということもありますが(テレビを見る、酒を飲む、つまみ食いをする)、朝の思いつ きは「金」とも言われています。

 その日一日をすっきりとした頭で過ごすために、朝一番、数分間の瞑想タイムを確保 してみてはいかがでしょう。

 この数分が、一日のうちであなたにもっとも満足感を与えてくれる時間となるはずで す。

 

ドミニック・ローホー著

講談社

2013年10月23日 (水)

「限りなく少なく」豊かに生きる ドミニック・ローホー

8.シンプルに「考える」練習

 必要と思うものだけ選ぶ「謙虚さ」を身につける

 

 世の中はさまざまな情報であふれ返っています。それにいちいち流されないように したいもの。本当に大切なことは、言葉ではうまく表現できないものです。

 黙って、自分が納得のいく単純明快で純粋な思考だけを心のうちにしまっておきま しょう。良し悪しを超えた知的な「謙虚さ」を身につけるのです。天が私たちひとり ひとりに与えてくれたこの命を大切に管理し、道徳や精神、知的面で得るものも、本 当に自分が必要と思うものだけにするのです。

 頭を混乱させることの多くは、あいまいな優先順位やものごとを無理に変えようと することから来ます。たとえば,[近頃の若者はじょうがない」と、価値観がまった く違う若者に「昔はこうだった」と無理やり時代遅れの価値観を押しつけたり、その 変化を嘆いたり。

 時代は移り変わっていきます。  無駄な抵抗はしないことです。

 

ドミニック・ローホー著

講談社

2013年10月22日 (火)

「限りなく少なく」豊かに生きる ドミニック・ローホー

8.シンプルに「考える」練習

 病気になりにくい友人たちの共通点

 

 私のまわりだけでしょうか? どういうわけか、病気になりにくい友人たちは、みな自立していて、あっけらかんと した人が多いように思います。

 このような人は、たいてい自分の価値観というものをもち、社会のルールや習慣を 表向きは受け入れているように見えても、実はしっかり一線を引いていて、それらに 寛容でユーモアあふれる面をもっています。

 そして、仕事やサークル活動など、人づきあいの場でイヤな空気を感じると、それ を事前に排除できる人でもあります。

 こういう人を「自立した人」と呼ぶのかもしれません。

 

ドミニック・ローホー著

講談社

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