人生がうまくいく! 「動じない心」の作り方
第5章 「自分を守ってくれるもの」を大切にする
●お金にケチケチしていると、心が安らがない
ブッダは、『法句経』という原始仏典の中で、「お金のことでケチケチして
している人は、心の安らぎを得られません」と教えています。
とはいうものの、ケチな人というのは「心の安らぎを得たい」と思って、お
金のことでケチケチしているのです。
お金を使わず、寄付をすることもせず、ひたすらお金を貯め込もうとするの
です。
「イザというとき、お金を持っていなかったら大変なことになる。お金はいく
らあっても邪魔にはならない。だからイザというときのために、貯められるだ
けお金を貯め込んでおこう。お金があれば安心できる」と考えるのです。
しかし現実には、お金がどんどん貯まったとしても「安心できる」という心
境にはほど遠いのです。
むしろ、
お金が貯まれば貯まるほど、
新たな心配事で心が乱れる
ことになります。
仏教に、次のような説話があります。
大金持ちの商人がいました。その商人は、「お金を貯めることで、安らぎの
ある生活を送りたい」と、一生懸命お金を貯めました。
問題は、貯めたお金をどこに保管するかです。
商人は最初、頑丈な金庫に入れておこうと考えました。それでも、「ドロボ
ウに入られて、盗まれることになるのではないか」と、心配でしょうがありま
せん。
次に、土の中深くに埋めてしまうことも考えました。しかし、「モグラやネ
ズミに持っていってしまられないか」と、やはり心配でしょうがありません。
次に、山の奥に隠そうと思いつきました。しかし、「キツネやタヌキに奪わ
れてしまうのではないか」と、心配になってきます。
名案がまったく思い浮かばないまま、商人はとうとうノイローゼになり、毎
日眠れなくなってしまいました。
倹約や節約はいいのですが、ケチケチして、たくさんのお金を貯め込むこと
は。かえって安らかに生きることを不可能にしてしまうようです。
植西聰著
マイナビ
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