【59】強い心をつくる100の習慣
第6章
ストレスを溜めない人間関係のコツ
59 相手の立場に立って話す
私たちは、常々「自分がわかっていることは、他の人もわかってい
る」と思いがちです。
しかし、「自分の常識は他人の非常識」という言葉もあるように、
自分の知っていることを相手が知らない場合もたくさんあるのです。
たとえば、数人で話をしていて、「これって、常識だよね?」と誰
かが言ったとします。
言った本人としては、「これくらいは知っていて当然」という気持
ちから発した、何気ない一言なのでしょう。
しかし、話を聞いている人の中で、その内容を知らない人がいたと
したら、「私は知らないけど……。それっていけないこと?」と複雑
な心境になると思います。
ですから、人間関係においては、「自分が知っていることでも、他
の人が知っているとは限らない」という前提で会話するのがベストで
す。
そうしないと、知らず知らずのうちに、自分の常識を押し付けてし
まいことになり、周りからは「無神経な人」というレッテルを貼られ
てしまいます。
本当に頭のいい人は、難しいことを簡単に説明することができる、
といわれています。
それは、頭のいい人は、相手の立場に立って、どのような言葉を使
えばわかりやすいかを考えて話すことができるからです。
会話をするときに最も大切なことは、この「相手の立場に立って話
す」ということです。
話の中に、専門的な言葉が含まれているようなら、誰にでもわかる
言葉に置き換えて話すとか、相手が退屈そうなら、相手が興味を持っ
てくれそうな話題に変えるといった気配りができると、その人は相手
にとって、「話していて楽しい人」になります。
自分がはなすのが得意ではないなら、相手にどんどん質問をして、
自分は聞き役になるという会話の仕方でもいいのです。
会話は人間関係の基本です。
第一印象であまり記憶に残らなかった人でも、次に会ったときに会
話を楽しむことができれば、その人の印象はグンとよくなります。
そして、楽しい会話ができると、それが自分の楽しみや自信になり、
自分自身の心にも、プラスのエネルギーが増えるのです。
植西 聰 氏
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