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kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)

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2014年7月

2014年7月31日 (木)

【59】強い心をつくる100の習慣

第6章

 ストレスを溜めない人間関係のコツ

59 相手の立場に立って話す

 私たちは、常々「自分がわかっていることは、他の人もわかってい

る」と思いがちです。

 しかし、「自分の常識は他人の非常識」という言葉もあるように、

自分の知っていることを相手が知らない場合もたくさんあるのです。

 たとえば、数人で話をしていて、「これって、常識だよね?」と誰

かが言ったとします。

 言った本人としては、「これくらいは知っていて当然」という気持

ちから発した、何気ない一言なのでしょう。

 しかし、話を聞いている人の中で、その内容を知らない人がいたと

したら、「私は知らないけど……。それっていけないこと?」と複雑

な心境になると思います。

 ですから、人間関係においては、「自分が知っていることでも、他

の人が知っているとは限らない」という前提で会話するのがベストで

す。

 そうしないと、知らず知らずのうちに、自分の常識を押し付けてし

まいことになり、周りからは「無神経な人」というレッテルを貼られ

てしまいます。

 本当に頭のいい人は、難しいことを簡単に説明することができる、

といわれています。

 それは、頭のいい人は、相手の立場に立って、どのような言葉を使

えばわかりやすいかを考えて話すことができるからです。

 会話をするときに最も大切なことは、この「相手の立場に立って話

す」ということです。

 話の中に、専門的な言葉が含まれているようなら、誰にでもわかる

言葉に置き換えて話すとか、相手が退屈そうなら、相手が興味を持っ

てくれそうな話題に変えるといった気配りができると、その人は相手

にとって、「話していて楽しい人」になります。

 自分がはなすのが得意ではないなら、相手にどんどん質問をして、

自分は聞き役になるという会話の仕方でもいいのです。

 会話は人間関係の基本です。

 第一印象であまり記憶に残らなかった人でも、次に会ったときに会

話を楽しむことができれば、その人の印象はグンとよくなります。

 そして、楽しい会話ができると、それが自分の楽しみや自信になり、

自分自身の心にも、プラスのエネルギーが増えるのです。

植西 聰 氏

2014年7月30日 (水)

【58】強い心をつくる100の習慣

第6章

 ストレスを溜めない人間関係のコツ

58 小さな問題は自分で解決する

 私たちは、子どもの頃に、「自分のことは自分でしなさい」と親に

教えられてきました。

 親は、子どもの自立心を育てるために、ときには厳しい言葉で、子

どもを指導します。

 心の強い人は、この「自立心」が旺盛という特徴を持っています。

 ある営業職の女性は、何かトラブルが起きたときは、まずは自分で

解決できるかどうか、ということを考えるそうです。

 たとえば、大切な書類が見つからないときは、「どこかに忘れたの

かもしれない」と考えて、その前の自分の行動を振り返ります。

 そして、「もしかしたら、取引先に置いてきたかもしれない」とい

うことに気付いたら、その取引先に電話をして、「書類を忘れてない

でしょうか?」ということを確認してもらいます。

 このように、自分のミスは自分のミスとして、黙々と解決に向けて

行動するので、社内では「責任感のある人」と高い評価を受けている

といいます。

 彼女からしたら、自分のミスに他の人を巻き込みたくないから、一

人で解決しているだけにすぎません。

 しかし、よく調べもせずに、「ねえ、私の書類知らない?」と他人

を巻き込む人よりもずっと、信頼されやすくなり、良好な人間関係を

保つことができるのは間違いありません。

 自分一人では解決できそうにない大きな問題は、周りの人に相談し

て、解決策を一緒に考えてもらうほうがいいのです。

 そのほうが早く解決できるし、結果的に周りの人に大きな迷惑をか

けずにすむからです。

 しかし、ちょっと考えたら解決できそうな簡単な問題なのに、「困

った。どうしよう」と大げさに騒ぎ立てるのは、NGです。

「人騒がせな人」と思われ、警戒されてしまいます。

 人に何か頼みたくなったときは、まず、「自分でできないか」を考

えましょう。

 思い切ってやってみて、うまくできたら、自分の自信につながり、

心にはプラスのエネルギーが増えます。それだけでなく「自立した人」

と認められて、周りからの評価も上がるのです。

植西 聰 氏

2014年7月29日 (火)

【57】強い心をつくる100の習慣

第6章

 ストレスを溜めない人間関係のコツ

57 苦手な人とは距離を置いて付き合う

 真面目な人は、「すべての人と仲良くしなければいけない」と考え

てしまうようです。

 そのせいか、「この人は苦手だな」と思う人がいても、他の人と同

じように、仲良く付き合おうとします。

 その結果、心にストレスを増やすことになります。

 率直に言って、人間と人間の距離というのは、近いほどよいという

ものではありません。

 心理学に「ヤマアラシのジレンマ」という法則があります。

 ある寒い日に、二匹のヤマアラシが、お互いに暖かくするために近

付こうとしたところ、お互いの体にある針が相手を刺して、近付くこ

とができませんでした。

 だからといって、離れすぎると寒いので、何度か距離を調整するう

ちに、お互いを傷つけずに、お互いの体温を感じられるちょうどよい

距離を見つけられた、という話がもとになっています。

 この二匹のヤマアラシの関係は、人間関係と同じです。

 距離が近すぎるあまり、お互いに干渉しすぎて傷つけ合ったり、後

悔したりするよりも、適度な距離を保ち、お互いに心地よい気持ちで

いられる関係のほうが、結果的にいい関係でいられるということです。

 この法則は、一般的な人間関係を指しているものですが、苦手な人

と付き合うときにも参考になります。

 苦手な人と距離を近付けすぎると、トラブルになる可能性がどうし

ても高くなります。会っているときだけでなく、別れた後も、イヤな

ことを思い出して、心にマイナスのエネルギーが増えてしまいます。

 ですから、会うと気分が暗くなったり、トラブルが起きやすかった

りする相手とは、いっそ距離を置いて付き合うほうがいいかもしれま

せん。

「付き合う相手を選ぶなんて、相手に失礼な気がする」と思う人がい

るかもしれません。

 しかし、無理に会って自分の心にマイナスのエネルギーを増やすよ

うだと、結果的に、周りの人にマイナスのエネルギーをまき散らして、

迷惑をかけることにもなります。

 トラブルの元を避けることは、自分自身だけでなく、自分のまわり

のためにもなるのです。

植西 聰 氏

2014年7月28日 (月)

【56】強い心をつくる100の習慣

第6章

 ストレスを溜めない人間関係のコツ

56 自慢話は控える

 人は誰でも、「他人によく見られたい」と思うものです。

「自己重要感」という言葉があるように、「重要な存在でありたい」、

「他人に認めれたい」、「他人にほめられたい」という気持ちは、私

たちがごく当たり前に持っている感情なのです。

 心が弱い人の中には、「自己重要感」を上手にコントロールできず、

「私ってすごいでしょ」と自慢話をしたり、見栄を張ったりする人が

います。

「昨日も、男性から電話があったの。彼、私のことが大好きみたいで、

しつこくて困るわ。今は仕事が忙しいから恋人をつくる気なんかない

のに、なぜだか私ってモテるのよね」

「私の家は元々お金持ちで、小さい頃から欲しいものは必ず買っても

らえたし、たくさん旅行に連れていってもらえたの。だから、これと

いった苦労はしたことがないわ」

「この間、私だけ部長に呼ばれて食事をごちそうしてもらったの。他

の社員より、私が仕事をできるから、特別扱いしてくれたのかしら」

 このような自慢話は、たまに聞くならばそんなにイヤなものではあ

りませんが、あまり何度も続くようだと、周りの人に不快感を与えま

す。

 親切な人は、はじめのうちは「すごいね」、「羨ましいよ」と言っ

てくれるでしょう。

 しかし、心の中では「この人は自分の自慢話しかしない人だわ」と

あきれているはずです。

 聞いている側は「自慢話ばかりされても、つまらない」とは忠告し

てくれません。

 たいていの場合は、「あの人と会ってもつまらない。もう会うのは

よそう」と静かに距離を置くだけです。

 自慢話をする人は、そのままの自分で人から好かれる自信がないの

です。そのため、「私ってすごいでしょ」とわざわざ相手に伝えて、

尊敬を集めようとするのです。

 しかし、自慢話はすればするほど、周囲から「あの人は自分に自信

がない人だ」と思われことになります。それに、自慢話をする人は、

相手の話を聞かないので、相手を楽しませることもできません。

 このように、自慢話をすると、かえって自分の評価を下げることに

なります。

 自慢話は相手の「自己重要度」を下げてしまうので、人から嫌われ

るからです。自慢話などせずに笑顔で生きていれば、それだけで人か

ら好かれます。

植西 聰 氏

2014年7月27日 (日)

【55】強い心をつくる100の習慣

第6章

 ストレスを溜めない人間関係のコツ

55 「お金の貸し借りはしない」と誓う

 いつの時代も、人間関係がこじれる理由のトップはお金です。

「金の切れ目が縁の切れ目」ということわざもあるように、どんなに

仲のいい人同士でも、いったんお金の問題がからむと、必ずといって

いいほど関係は悪くなります。

 ですから、人付き合いのトラブルを防ぐなら、「お金の貸し借りは

しない」と心に誓うのがいいでしょう。

 団体職員のE子さんは、失業した友達のことをとても心配していま

した。

 その友達は、たいした理由もなくリストラされたあげく、再就職先

もなかなかみつからない状態で、深く落ち込んでいました。

 優しいE子さんは、その友達を食事に誘ってごちそうしてあげたり、

身の回りに必要なものをプレゼントしてあげたりしました。

 ある日、失業中の友達が、E子さんに「お金を貸してほしい」とお

願いをしてきました。

 E子さんは「そこまでお金に困っているんだ」と気の毒に思いまし

たが、心を鬼にして、こう言いました。

「申し訳ないけど、それはできない。でも、いつだって相談にも乗る

し、本当に困っている時はご飯をごちそうする。お金以外のことで、

私にできることはなんでもするよ。お金を貸さないのは、あなたのこ

とを嫌いだからではないの。それはわかってほしい」

 友達は涙を流しながら、

「あなたの気持ちはよくわかった。落ち込んでいないで、頑張って早

く仕事を見つけるのね」

 と言い、これまで以上に一生懸命就職活動に励みました。

 そして、無事に新しい仕事を見つけることができたのです。

 二人は今でも、とても親しい間柄です。このとき、お金の貸し借り

をして、もしもお金が返ってこなかったら、二人の関係はギクシャク

してしまったかもしれません。

 大切な友達がお金で困っていたら、貸してあげたくなるのが人情と

いうものです。

 しかし、心の強い人は、相手のためを思えばこそ、「お金は貸さな

い」とはっきりと言うことができます。親切にするだけが優しさでは

なく、厳しくするのも愛情だと思っているからです。

 いずれにしろ、お金に誠実であることが、人間関係を良好に保つ基

本といえます。

植西 聰 氏

2014年7月26日 (土)

【54】強い心をつくる100の習慣

第6章

 ストレスを溜めない人間関係のコツ

54 断る勇気を持つ

 日常生活で、人から頼まれ事をされることがあります。

 頼まれ事を引き受けてあげることは、それだけで人から喜ばれるの

で、とてもいいことです。しかし、中には、どうしても引き受けたく

ないものや、他の予定があって聞き入れることが難しい場合もありま

す。

 そんなとき、心が弱っていると、「断るのは申し訳ない」という罪

悪感に苦しんだり、「私が、多少無理すれば大丈夫だから」と無理に

予定を入れてしまい、あとで苦しむことになったりします。場合によ

ってはドタキャンせざるを得なくなり、相手に迷惑をかけることにな

ってしまいます。

 彼女たちには、「ノーを言うのはいけないこと」という思い込みが

あるのです。

 しかし、気乗りしないまま、頼まれ事を引き受けていると、次第に

「どうして私がこんなことをしなければいけないの」という被害者の

ような気持ちになり、心はマイナスに傾きます。

 ですから、断りたいときは、遠慮しすぎずに、「ノー」と言いまし

ょう。

 独身のある女性は、子育て中の女性が多い職場で働いています。そ

のためか、子どもの事情で早退や休みが頻繁になってしまう同僚の仕

事を代わりにしていました。

 はじめのうちは、「仕事と育児を両立している同僚のためにも、で

きるだけ協力してあげよう」という気持ちから、多少無理をしてでも

引き受けてあげるようにしていました。

 しかし、次第に頼まれる仕事量が多くなりすぎて、自分の担当業務

に支障をきたすようになってしまったのです。

「このままでは自分の身が持たない」と思った彼女は、できないとき

は、できないと言おうと決めました。

「今日は自分の担当業務を終えてしまわないといけないから、時間が

とれないんです」

「明日なら一時間ほど残業できますから、その時間内であれば引き受

けます」

 と理由を添えて断るようにしたら、相手もすんなり理解してくれま

した。これまでそのことでなやんでいたのがバカらしくなるほどでし

た。

 このように、「断る」という選択肢を持つことで、人間関係のスト

レスは小さくなります。

植西 聰 氏

2014年7月25日 (金)

【53】強い心をつくる100の習慣

第6章

 ストレスを溜めない人間関係のコツ

53 嫌味を言われても、軽く聞き流す

「余計な一言」を言う人はどこにでもいます。

 彼女たちは、相手の気持ちを考えるのが下手なのです。

「こんなことを言ったら、相手はどう思うのか?」という配慮が足り

ないため、つい自分の言いたいことを優先してしまうのです。

 傷つきやすい人は、そんな無神経な人の言葉にいちいち傷ついて、

心を乱されてしまいがちです。

 特に、心にマイナスのエネルギーが溜まっている人は、相手の言葉

を悪いほうに受け取ってしまうため、ちょっとした言葉に、大きく傷

ついてしまうこともあります。

 自分がそういうタイプだという人は、失礼な人の言葉はサラッと聞

き流して、心にマイナスの感情を増やさないようにしましょう。

 たとえば、上司がこんなふうに嫌味を言ってきたとします。

「あなた、また有給休暇をとるつもりなの? たいした仕事もしてい

ないのに、休んでばかりじゃない。本当に近頃の若者ときたら……」

「これくらいの仕事量でまいっているようなら、この仕事には向いて

いないんじゃない?」

 つい、「余計なお世話です」と言い返したくなるようなことばかり

です。

 上司の嫌味の中には、「確かに図星をついているな」という意見も

あるかもしれません。

 だからといって、自分が悪いわけではないのに、「すみません。こ

れからは気をつけます」と謝って、卑屈になる必要はありません。

 なぜなら、この上司は、「社会人として立派になってほしい」とい

う愛情から、このような言葉をかけているのではなくて、「なんとな

く気に入らない」という嫉妬心から、嫌味を言っている可能性が高い

からです。

「休み明けから、頑張ります」、「引き続き、ご指導をお願いします」

といった具合に、角が立たないような返事をしておいて、笑顔で聞き

流しましょう。

 心を強くするためには、相手の言葉を深読みしすぎないことも大切

です。

 余計な言葉は聞かなかったことにしてもいいのです。それよりも、

自分の心にマイナスのエネルギーを増やさないことのほうが大切です。

植西 聰 氏

2014年7月24日 (木)

【52】強い心をつくる100の習慣

第6章

 ストレスを溜めない人間関係のコツ

52 相手が感情的になっても、

   張り合わない

 外資系企業に勤めるY子さんは、イヤなことがあるたびに、自分に

八つ当たりしてくる同僚にうんざりしていました。

「また上司に仕事のミスを怒られた。Y子さんもこの前ミスしていた

のに、私のほうがこっぴどく怒られたよ。Y子さんばかりずるい」

 こんな話を仕事中に延々と聞かされるので、仕事の手も止まってし

まいます。

 でも、Y子さんは、「うるさいよ」などと、言い返したりしません。

 もちろん、内心では、「上司が仕事のミスを怒るのは、当たり前の

ことでしょ。それに、私だってミスしたときは怒られているのに……」

と思ってはいます。

 しかし、感情的になっている相手に、本音で言い返せば、トラブル

が大きくなって、あとで後悔してしまうことは目に見えています。

 そのため、Y子さんは本音を抑えて、嵐が過ぎ去るのを待っていた

のです。

「実際、私が冷静に対応していると、相手も次第に気持ちが落ち着い

てくるようです」とY子さんは言います。

 これにはきちんとした理由があります。

 たとえば、友達が旅行に行ったときにお土産を買ってきてくれたら、

「私も何かお返ししたい」と、たいていの人は思うはずです。

 これを心理学では「返報性の原理」といいます。この法則は、人付

き合いにもあてはまります。

「相手が怒ってきたから、自分も怒り返した。すると、怒りが倍にな

って返ってきた」

 これは、「もらった怒りの感情を、同じように相手にも返してやり

たい」という心理が働いているから起きる現象です。

 しかし、相手が怒ってきたとき、自分がちょっと我慢して、怒りを

返さないようにすると、その相手はそれ以上、文句を言ってこなくな

るものです。

 すると、言い争いが続いたときに比べて、ストレスはずっと小さく

なります。

 これまで、つい相手の言葉に言い返してしまっていた、という人は

Y子さんのように、静かに相手の話を聞きましょう。

 相手の言葉はすぐに忘れてしまえばいいのです。

植西 聰 氏

2014年7月23日 (水)

【51】強い心をつくる100の習慣

第6章

 ストレスを溜めない人間関係のコツ

51 心を強くするための

   人間関係にはコツがある

「気が合わないなら、付き合わなければいい」と割り切れるほど、簡

単ではないのが大人の社会です。

 会社の上司と相性が悪くても、違う部署へ勝手に異動するわけには

いきません。

 友達のグループでソリの合わない人がいても、その人とだけ口を聞

かないわけにはいかないでしょう。

 周りの人が全員、いい人ならいいのですが、世の中にはいろいろな

価値観を持っている人がいて、中には気難しい人も存在します。

 どうしたって人と人には相性というものがあります。

「どうも、あの人とはウマが合わない」

「あの人と一緒にいると、必要以上に気を使って、とても疲れてしま

う」

 と感じてしまうような人が、誰にでも周りには何人かはいるもので

す。

 こんなときに、心がナイーブな人や人間関係に苦手意識がある人は、

「自分の何が悪いのだろう……」と自分を責めてしまったり、「相手

が悪くて、自分は悪くないのに……」と相手を憎んでしまったりして、

心にマイナスの感情を増やします。

 一方、心の強い人は、「この人とは相性があまりよくないな。でも、

せっかく一緒にいるのだから、楽しい時間を過ごそう」と考えて、そ

れなりにうまく付き合っていくことができます。

 落ち込みやすい人、傷つきやすい人に、その原因を聞いてみると、

ほとんどが人間関係のトラブルやストレスが原因です。

 逆にいえば、人間関係のトラブルさえなくなれば、その人たちの心

の中からマイナスのエネルギーが減り、毎日を楽しく過ごすことがで

きるようになると思います。

 人は、一人では生きていけません。「人間関係が苦手」という人も、

ちょっとしたコツを身につけて、心の中のマイナスのエネルギーを減

らしていきましょう。

植西 聰 氏

2014年7月22日 (火)

【50】強い心をつくる100の習慣

第5章

 今の自分を好きになる

50 理想の自分をイメージする

「自分のこういうところがイヤなんです」と溜息をついている人に、

「では、あなたはどんな自分になりたいのですか?」

 と質問すると、「うーん……」と黙り込んでしまう人が多いことに

驚きます。

「自分の性格が嫌い」、「こんな自分だから不幸なことばかり起こる」、

そう思いながらも、「どんな自分になりたいか」という理想像がない

のです。

 彼女たちは、現在自分が置かれている状況に不満があり、そこから

逃げたいと思っているだけなのでしょう。

「自分を好きになるために、自分を変えたい」と望んでいるわけでは

ないし、そのために何か努力する気持ちもないのです。

 しかし、それでは、いつまでたっても心にプラスのエネルギーは増

えませんし、退屈な毎日が変わることもありません。

 心理学に、「自己愛」という言葉があります。

「自己愛」とは文字通り、自分自身を大切に思う気持ちのことで、人

間であれば、誰もが持っている感情です。

 しかし、この自己愛が強すぎると、「自分のことが好きになれない

のは、厳しく育てた母親のせい」、「自分が強くなれないのは、周り

の人が優しくしてくれないから」といったように、自分の不幸を誰か

のせいにしてしまうことがあります。

 そういう人は「自分は悪くない」という思いが根底にあるので、自

分を変えるための努力をしようとしません。

 彼女たちが、理想の自分をイメージできないのは、今の望まない状

況を「誰かのせい」にしているからかもしれません。

 自分を好きになるためには、「私を幸せにするのは自分」、「私の

心を強くするのは私自身」という覚悟を持つことが必要です。

 誰かのせいにしているなら、その気持ちはそろそろ手放しましょう。

「自分自身の努力で、理想の自分になる」ことを決意し、行動を始め

ることで、人生は大きく変わっていきます。

植西 聰 氏

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