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kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)

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2014年11月

2014年11月28日 (金)

【23】「折れない心」をつくるたった1つの習慣

3章

 無理にポジティブにならなくていい!

 負のスパイラルから抜け出せる考え方

 繰り返しになりますが、ポジティブに考えるのは、悪いことではな

いのです。

 落し物をしたときに、「あれは寿命だったんだ。手放すことでもっ

といいものを手に入れるチャンスだ」と考えるなど、もうどうしよう

もないときに、自分を元気づけるために、ポジティブ思考が効果を発

揮することがよくあります。

 ただし、ポジティブに考えてもどうしても解決できない問題という

のは、存在します。

 そのひとつが、相手が存在する問題です。

 例えば恋人からの電話やメールの回数が減ってきたときのことを考

えてみましょう。

「きっと彼は今、仕事で忙しいから、連絡をくれないのだろう」と、

ポジティブに受け止めて、何の対策も打たないとしたら、どうでしょ

うか。

 もしからしたら、恋人は何か不満があって、連絡をよこさなくなっ

たのかもしれないのです。

 その場合は、ポジティブに考えて、何の対策を打たないとという方

法より、

「もしかしたら、何か私に対して不満を持っているのかもしれない」

 と考えて、次のデートでそのことをさりげなく聞いてみたり、自分

の態度を少し改めるなど、対策を立てたほうがいいのかもしれません。

 ポジティブに考えて何もしないでいれば、自分はそれで落ち込まな

くなるかもしれませんが、相手の気持ちまで思いやることはできない

のです。

 ですから、そのような相手がいる問題で、ポジティブ思考をあては

めるのは、注意したほうがいいといえます。

 それより、ちゃんと問題を受け止めて、どうすればいい方向へ向か

うのかを真剣に考えたほうが、望む結果を得られる可能性が高まるこ

とがあるからです。

 そのときは、原因を探して自分を責めたり、相手を責めたりするの

ではなく、「どうなってほしいか」に焦点をあてて、作戦を立てるこ

とが大切です。

「こうしたら、喜んでくれるだろう」という考えに基づいて行動する

と、心は楽しくなってきます。

植西 聰 氏

2014年11月27日 (木)

【22】「折れない心」をつくるたった1つの習慣

3章

 無理にポジティブにならなくていい!

 金科玉条をそのまま自分に当てはめない

 ポジティブ思考をすすめる本を読むと、

「自分の可能性にふたをするのはやめよう」

「目標は大きいほうがいい」

「夢は諦めなければきっとかなう」

 というような言葉が並んでいます。

 私は、これを否定する気はありません。

 どの言葉にも真実が含まれていると思います。

 ただし、心が折れやすい人が、勇気を出してエイヤッといきなり大

きな目標にチャレンジした場合、うまくいかなかったときに必要以上

に落ち込むことになるので注意が必要です。

 目標に向かって努力するのはよいことですが、そのときに肩に力を

入れすぎると、うまくいかなかったときに、自分を責めることになっ

てしまうのです。

「やればできるとかいてあるのに、自分にはできない」

「やっぱり、私にはムリな夢なんだ」

 そんなふうに、せっかくがんばったことを否定的に考えてしまうこ

とにもなりかねません。

 ですから、心が折れやすい人が目標に向けてチャレンジするときは、

がんばりすぎないよう、少しずつ段階的に目標を上げながら、前に進

んでいくのがいいのです。

 そして、努力する途中では、小さな成果でも自分をほめて、心にプ

ラスのエネルギーを増やすことが大切です。

「全部はできなかったけど、ここまでできた」

「少なくとも昨日よりはよくなっている」

 同じポジティブでも、そんなふうにのんびりしたペースなら、心に

かかる負担は少なくなります。

植西 聰 氏

2014年11月26日 (水)

【21】「折れない心」をつくるたった1つの習慣

3章

 無理にポジティブにならなくていい!

「ポジティブ思考」が向かない人

 人の考え方や心のあり方は複雑です。

 悩みの種類もさまざまです。

 それなのに、「ポジティブ思考」というひとつの型にあてはめよう

とすれば、どうしても無理が出てしまいます。

 相性もあります。

 ポジティブに考えて運気をあげるという方法は、ある人たちにとっ

ては非常に有効でも、ある人たちにとっては逆効果になるということ

があるのです。

 ポジティブ思考に向いているのは、もともと、自己肯定感がある程

度高く、少し考え方を変えるきっかけさえ与えてもらえば、あとは心

の中のプラスのエネルギーでどんどん成功してタイプの人たちです。

 反対に、ポジティブ思考が向いていないのは、マジメで「こうしな

ければいけない」というようなルールにとらわれる考え方をする人で

す。

 聞いた話なのですが、日本刀は、他の刃物に比べて、非常に折れに

くいのだそうです。

 なぜかといえば、日本刀はしなる性質を持っているからだそうです。

 そのため、強い力が外から加わっても、しなることで、その力を受

けながすことができ、折れないのです。

 日本刀だけでなく、柳や竹など、よくしなるものは、簡単には折れ

ません。

 人間もこれと同じです。

 しなる心は、外部からの圧力が加わったときに、折れずにいられる

強さを持つことができます。

 そのためには、自分を枠にはめすぎないことです。

 今のままの自分を認めてあげたり、できない自分を許してあげるこ

とでその強さは身につきます。

 もし、本当はポジティブ思考がしたいのに、なかなかできないとい

う場合もそんな自分を認めてあげましょう。

 それができると、ストレスに強い柔軟な心を作っていくことができ

ます。

植西 聰 氏

2014年11月25日 (火)

【20】「折れない心」をつくるたった1つの習慣

3章

 無理にポジティブにならなくていい!

 マイナスの感情にフタなんてしなくていい

 悲しい気持ち、悔しい気持ち、情けない気持ち。

 そんなマイナスの感情が心にわいてきたときは、

「ああ、自分は今、悲しんでいるなあ」

 というふうに、客観的に自分の心を見つめてみましょう。

「落ち込んではいけない」

「悲しんではいけない」

 と、その気持ちにふたをする必要はありません。

 人間が生きている以上、様々な感情が生まれるのは当然のことです。

 ずっと嬉しい、楽しい、という感情しか感じない人なんて、いません。

 いつも元気に笑っている人も、ときには落ち込むこともあるし、泣

くこともあるのです。彼らは、それを人前でオープンにしていないだ

けなのです。

 ですから、悲しみや苦しみといった感情が心にわいてきたときは、

「自分は人間らしい人生を生きているなあ」

 と考えるくらいでちょうどいいのです。

 ただし、心が慢性的にマイナスの状態になってしまうことには、少

々問題があります。

 一時的に落ち込むのは自然なことですが、いつまでもずっと落ち込

んでいるのは、心にマイナスのエネルギーを増やし続けることになっ

てしまいます。

 ですから、何か辛いことがあったときなどは、最初のうちはその感

情を開放しながらも、少しずつ心をマイナスからプラスへと変えてい

けるように意識するといいでしょう。

 どうしても気分がうかないときには、

「今日は徹底的に落ち込んでもいい日にしよう。人に会うのはやめて、

部屋の中の掃除をしよう」

 というふうに、決めてしまうのもいい方法です。

 このほうが、「落ち込んではダメだ」と自分にプレッシャーをかけ

るよりも早く、立ち直れることもあります。

植西 聰 氏

2014年11月21日 (金)

【19】「折れない心」をつくるたった1つの習慣

3章

 無理にポジティブにならなくていい!

 その”ポジティブ・シンキング”は大丈夫?

 物事をポジティブに考えれば、人生が楽しくなるという説がありま

す。

 悲しいことなんてない。すべてはいい経験になるから。

 苦しいことなんてない。すべては自分の成長につながるから。

 だから、つらいことがあってもいつでも笑っていよう。

 というような理屈です。

 確かに、それは間違いではありません。

 気持ちの切り替えが上手な人は、そのように発想を転換することで、

心が折れることを防げることもあります。

 しかし、全員が全員、ポジティブ思考で幸せになれるわけではあり

ません。

 また、心が折れやすい人はそう考えられないのです。

 ポジティブ思考は悪いことではありませんが、その意味を間違って

解釈すると、それがかえってその人を苦しめることになってしまうの

です。

 どういうことかというと、ポジティブにならないと幸せになれない

と思っていると、それができなかったときに、かえって落ち込んでし

まい、傷を深くしてしまうということです。

「何があってもポジティブに考えると決めたのに、それができないな

んて自分はなんてダメな人間だ」

「常に前向きな思考を持たなくては、絶対に幸せになれない」

 そんなふうに、ポジティブでいることがプレッシャーになってしま

うと、逆に心にはどんどんマイナスのエネルギーが増えてしまいます。

 誰だって、年がら年中、ポジティブでいられるわけではありません。

 人間ですから、ムカッと来るときもありますし、気分が落ち込むと

きもあります。

 感情は、完璧にコントロールできるものではないのです。

 ですから、ときには一晩落ち込んだり、泣いたりするときがあって

もいいのです。

植西 聰 氏

2014年11月20日 (木)

◎2章のまとめ 「折れない心」をつくるたった1つの習慣

□自分の心にマイナスのエネルギーが多いと、マイナスの出来事や人

 を引き寄せてしまう

□プラスエネルギーを増やしたいからといって、自分を否定するのは

 逆効果

□プラスの人とつきあい、マイナスの人とは距離を置こう

□「怒り」はマイナスの最たるもの。「怒りの記憶」を手放すトレー

 ニングを!

□心にプラスエネルギーを増やす行動を実践する

□完全主義をやめる

植西 聰 氏

2014年11月19日 (水)

【18】「折れない心」をつくるたった1つの習慣

2章

 なぜ折れやすいのか、意外な原因を知ろう

 人に話しかけられることが増えるヒント

「人見知りな性格なので、心の状態をいくらプラスにしても、人間関

係で傷ついてしまうことはなくならないと思います」

 などと、生まれつきの性格のせいにして、最初から自分が変わるこ

とをあきらめている人がいます。

 確かに、性格は、生まれもった部分が大きいといえます。

 ですから、心の状態を変えても、人見知りな性格は、あまり変わら

ないかもしれません。

 しかし、だからその人がずっと、この先も傷つきやすく、あきらめ

やすい人間のままなのかといえば、それは違います。

 心をプラスのエネルギーで一杯にすると、考え方に大きな変化が訪

れるからです。

 性格が人見知りでも、勇気を出して気になる人に声をかけることが

できるようになるなど、行動できる範囲が広がるのです。

 また、心の状態が変わると、周囲から見たその人の印象が大きく変

わるので、周囲から話しかけられる機会も増えるでしょう。

 ある女性は、人前に出るとすぐに赤面するアガリ症でしたが、教員

になることが夢だったため、赤い顔でもいいと開き直って、教育実習

をしました。

 最初、彼女には、「私はアガリ症だから、人前で話すことはできな

い」という不安があったのですが、自分に「大丈夫、大丈夫」と声を

かけ続けることで、何とか無事に教育実習を終えることができました。

 この経験は彼女に「やればできる」という自信を与えてくれました。

 口下手でも、赤面症でも、アガリ症でも、いいのです。そんなこと

は関係ないのです。

 どんな性格の人でも、心にプラスのエネルギーを増やせば、強い心

を持った人間になることができます。

 そこを信じることが大切です。

植西 聰 氏

2014年11月18日 (火)

【17】「折れない心」をつくるたった1つの習慣

2章

 なぜ折れやすいのか、意外な原因を知ろう

 厳しすぎる自分を見直す

 心が折れやすい人には、完璧主義者が多いようです。

 彼らの心にはマイナスのエネルギーが多く存在します。

「ここがうまくいかなかった」

「もっとこうすればよかったのに」

 というふうに、普段から足りないところばかりに目がいって、他人

や自分を責めてしまいがちだからです。

 完璧主義者の人の特徴に、何をするにも100点満点を目指すとい

うことがあります。

 彼らは手を抜いたり、間違えたりするのは許されないと思い、完全

にやり遂げないと気が納まりません。

 そのため、100点満点中、80点の出来ばえでも不満を持ってし

まいます。

 目標の8割しか達成できなかったのだから、明らかに失敗だったと

思い込んでしまうのです。

 何かをやるたび、「失敗だった」と思えば、心はどうしてもマイナ

スのエネルギーが増えます。

 それだけならまだしも、身近な人にも同じように完璧を求めるよう

になり、他人の欠点を見つけて攻撃的になってしまうこともあります。

 そうなると、周りの人からは、

「あの人は厳しくて、近寄り難い人」

 というイメージで見られてしまいます。

 この悪循環を断ち切るには、「ほどほどでいい」という考えを持つ

ことが効果的です。

 そのためには、完璧を目指すのではなく、90点くらいを目指すと

いいでしょう。

 すると、完璧ではなくても、

「まあ、いいんじゃない」

「なかなかいい感じ」

 というプラスの感情を感じる機会が増えて、心にもプラスのエネル

ギーを増やしていくことができます。

植西 聰 氏

2014年11月17日 (月)

【16】「折れない心」をつくるたった1つの習慣

2章

 なぜ折れやすいのか、意外な原因を知ろう

 笑顔がプラスのエネルギーを増やす

 笑顔には、心の奥底にある潜在意識を引き出す力があるといいます。

 あるサッカー選手が、試合でミスをしても笑っていたことがありま

した。

 その理由を尋ねられたその選手は、

「メンタルトレーニングを担当してくれているカウンセラーから、「

『失敗したときは、笑いましょう』と指導していただいたからだ」と

答えていました。

 試合中に失敗したときに、

「しまった! 失敗してしまった」

 という苦しそうな顔をすると、脳にはその表情を通じて失敗したと

いう記憶が強く印象づけられます。

 すると、そのあとも失敗を引き寄せやすくなるのです。

 反対に、失敗したときも笑顔でいると、脳がその失敗はなかったよ

うに把握するのです。

 そして、失敗して動きが小さくなるようなことを防げるのです。

 また、アメリカの野球選手が、試合中にガムをかんでいることがあ

ります。

 日本人から見ると行儀の悪い行動に思えますが、それにも訳があり

ます。

 それは、ガムをかむことで口を動かし、顔の筋肉をゆるい状態にし

て、脳の状態をよくするということです。

 この方法は、スポーツ選手だけでなく、普通の人も使うことができ

ます。

 心理学には、「楽しいから笑うのではない。笑うから楽しいのだ」

という言葉があります。

 日頃から笑顔でいる時間を増やし、ちょっとしたことでへこんだと

きにもできるだけ笑顔を保つようにすることで、心にはどんどんプラ

スのエネルギーが増えていきます。

 この本を読み終えたら、形だけでもかまわないので、鏡の前で口角

を上げてみてください。すると、マイナスの感情が、サッと去ってい

くのを感じられるはずです。

植西 聰 氏

2014年11月14日 (金)

【15】「折れない心」をつくるたった1つの習慣

2章

 なぜ折れやすいのか、意外な原因を知ろう

 「今の自分のままでOK」と口に出して言ってみる

 心理学に「自己承認」という言葉があります。

 ありのまま、そのままの自分を認めてあげるという行動のことをい

います。

 生きていくうえで「自己承認」ができている人とそうでない人では、

自分自身に対する評価に大きな差があります。

 どちらのほうがいいかといえば、自己承認ができているほうがいい

のです。

 自己承認ができている人は、何があっても、「自分はこのままの自

分でいい」と思うことができます。

 一方、そうでない人は嬉しいことがあれば「今日の自分はいいぞ」

と思うことができるのですが、そうでないときは、「どうせ私はいつ

もツイてないんだ」と自分の運のなさを嘆いたり、自分を責めたりし

てしまうのです。

 自分は自己承認ができていないという人は、毎日、鏡に向かって、

「私は今のままで十分に魅力的である」

「このままの私で、愛される価値がある」

 と声に出していうエクササイズをすると、自己承認ができるように

なってきます。

 それと同時に、うまくいっているときだけでなく、思い通りにもの

ごとが運ばないときも、

「大丈夫、大丈夫。このままの自分で乗り越えていける」

 とつぶやいてみてください。すると、

「もっとがんばらないと自分は認められない」

「このままでは誰からも愛されない」

 と、マイナスに考えているときに比べて、心にプラスのエネルギー

が多くなってくるために、自信がわいてきます。

 はじめは恥ずかしいかもしれません。しかし、続けるうちに自分を

信頼する気持ちが強まってくるでしょう。

植西 聰 氏

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