【23】「折れない心」をつくるたった1つの習慣
3章
無理にポジティブにならなくていい!
負のスパイラルから抜け出せる考え方
繰り返しになりますが、ポジティブに考えるのは、悪いことではな
いのです。
落し物をしたときに、「あれは寿命だったんだ。手放すことでもっ
といいものを手に入れるチャンスだ」と考えるなど、もうどうしよう
もないときに、自分を元気づけるために、ポジティブ思考が効果を発
揮することがよくあります。
ただし、ポジティブに考えてもどうしても解決できない問題という
のは、存在します。
そのひとつが、相手が存在する問題です。
例えば恋人からの電話やメールの回数が減ってきたときのことを考
えてみましょう。
「きっと彼は今、仕事で忙しいから、連絡をくれないのだろう」と、
ポジティブに受け止めて、何の対策も打たないとしたら、どうでしょ
うか。
もしからしたら、恋人は何か不満があって、連絡をよこさなくなっ
たのかもしれないのです。
その場合は、ポジティブに考えて、何の対策を打たないとという方
法より、
「もしかしたら、何か私に対して不満を持っているのかもしれない」
と考えて、次のデートでそのことをさりげなく聞いてみたり、自分
の態度を少し改めるなど、対策を立てたほうがいいのかもしれません。
ポジティブに考えて何もしないでいれば、自分はそれで落ち込まな
くなるかもしれませんが、相手の気持ちまで思いやることはできない
のです。
ですから、そのような相手がいる問題で、ポジティブ思考をあては
めるのは、注意したほうがいいといえます。
それより、ちゃんと問題を受け止めて、どうすればいい方向へ向か
うのかを真剣に考えたほうが、望む結果を得られる可能性が高まるこ
とがあるからです。
そのときは、原因を探して自分を責めたり、相手を責めたりするの
ではなく、「どうなってほしいか」に焦点をあてて、作戦を立てるこ
とが大切です。
「こうしたら、喜んでくれるだろう」という考えに基づいて行動する
と、心は楽しくなってきます。
植西 聰 氏
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