【27】「動じない心」の作り方
第4章
不満を言うよりも、今に満足して生きる
〇見せかけの努力は成果を生まない
見せかけの努力では、大きなことを成し遂げることはできません。
たとえば、たいした仕事などしていないのに、「忙しい、忙しい」
と騒ぎながら、職場を駆け回っている人がいます。この人は「忙し
ぶっている」だけなのでしょう。
「忙しい」と大騒ぎすることで、周りの同僚や上司たちに、「いか
に自分は仕事に熱心に取り組んでいるのか」というところを見ても
らいたいのです。
しかし、このような「見せかけの努力」では、大きな成果の出る
仕事を成し遂げることはできません。
残業をする必要などないのに、夜遅くまで残業したがる人もいま
す。これも「見せかけの努力」にすぎません。「残業しなければな
らないほど多くの仕事を抱え込んでいる。それだけ自分は、社内で
多くの人から頼りにされている」ということを、周りの人たちにわ
かってもらいたいのでしょう。
しかし、残業ばかりしているわりには、仕事は一向に進まないの
が実態ではないでしょうか。
仏教に、「信を離れたる行もなし」という言葉があります。
鎌倉時代の仏僧で、浄土真宗の開祖、親鸞の言葉です。
「仏を信じる心を持たない人が、いくら厳しい修業を重ねたところ
で、何の悟りも得られない」という意味です。
この言葉は、言いかえれば、「大きな仕事をするんだ、大きな成
果を上げてやる、という気持ちなどないのに、見せかけだけでがん
ばっているふりをしていたとしても、何の成果も得られない」とい
う意味にもなると思います。
周りの人に「よく思われる」ことに一生懸命になるよりも、まず
は自分自身の心のあり方を反省することが大切です。
仕事に対する動じない心が備われば、成果が上がり、周りからの
評価も高まるはずです。
植西 聰 氏
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