【46】「動じない心」の作り方
第6章
あわただしい日々の中に安らぎを見つけ出す
〇 世の中は「思い通りにならないもの」と考える
せっかちな性格の人ほど、物事が思い通りにならないと、心がイ
ライラしてきます。
「今年こそ結婚を決めたい。なのに彼は、まだ結婚に乗り気ではな
いみたい」
「電車が遅れている」
「知りあいが、待ちあわせの時間を五分過ぎているのに現れない」
「レストランで注文したものが、なかなか出てこない」
「長話に付き合わされている。忙しいから、早く話を切り上げたい」
「これから寝ようと思っているところに、知り合いから電話がかか
ってくる」
ここに挙げたような状況になると、せっかちな人は心のイライラ
が爆発しそうになってしまいます。
実際に爆発してしまって、「なぜ約束を守れないんだ」「なぜ時
間通りにできないんだ」「なぜ、こちらの都合を考えてくれないん
だ」と、怒ってしまう人もいるのではないでしょうか。
とはいえ、この世の中は「思い通りにいくこと」よりも、「思い
通りにならないこと」のほうが、ずっと多いのが現実です。
ですから、せっかちな人は、一日中朝から晩までイライラ、カリ
カリしていなければなりません。
平安時代の天台宗の仏僧である源信は、「人の世にあるとき、求
めるところ意の如くならず」という言葉を残しています。
「世の中は、とかく思うようにならないものだ」という意味です。
源信は、「だから思い通りにしようと思ってはいけない。そう思
うからイライラが溜まる。最初から、思い通りにならないものだと、
あきらめておけばいい」と言っているのです。
この源信の教えに従うことが、何があっても心が動じることなく、
安らかに生きていくための秘訣になるのではないでしょか。
植西 聰 氏
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