行動

kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)

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2015年12月

2015年12月29日 (火)

【第9章のポイント】「動じない心」の作り方

第9章 人間関係で動じないための心得

 他人を自分の思い通りに

 操ろうと思わない。

 苦手な相手と無理に

 仲良くなろうとしない。

 できないことは、

 動じない心で「ノー」と言う。

 一人になる時間が、

 人間関係の疲れを癒す。

 オベッカを使わず、

 正直に人とつきあう。

植西 聰 氏

2015年12月28日 (月)

【71】「動じない心」の作り方

第9章

 人間関係で動じないための心得

 〇「正直者が得をする」と信じる

 やましい誘惑にかられたとしても、心動じることなく「正直な生

き方」をするように心がけましょう。

 目先の欲に、心を奪われてはいけません。

 正直に生きることが、結局は自分自身の幸せ、安らぎにつながっ

ていくのです。

「うまく相手をだませば、大きな利益を得られる」と思えるような

状況でも、相手をだますようなことをしてはいけません。

 強い心、動じない心で、「人をだますくらいなら利益なんていら

ない。今のままの生活で十分だ」と思い直しましょう。

 そのほうが心安らかに暮らしていけるはずです。

 相手をうまくだませて、大きな利益を得ることができたとしても、

いつかウソが発覚し、得たはずの利益を取り返されることになるで

しょう。

 そればかりか、「あの人は、ずるい」と悪評を立てられ、誰にも

相手にされなくなります。

 また、「他の人のせいにすれば、自分の責任を逃げられるかもし

れない」と思えたときも、他人のせいにするのはやめることです。

 正直に「わたしのミスで失敗しました」と告白すればいいのです。

 そのほうが結果的に、周りの人たちから「あの人は正直な人だ。

信頼できる」という高い評価を得ることにつながるのです。

 他人のせいにしても、責任逃れできるのはその場だけで、最後に

は「自分のミスが原因で」ということが発覚してしまうでしょう。

 そうなれば周りの人たちから非難され、信頼もガタ落ちになりま

す。

 こう考えていくと、正直に生きていくほうがずっと有益だとわか

ってくるはずです。

 結局、世の中は、「正直者が最後には得をする」ようにできてい

るのです。

植西 聰 氏

2015年12月25日 (金)

【70】「動じない心」の作り方

第9章

 人間関係で動じないための心得

 〇お世辞を言ったり、オベッカを使ったりしない

 人に気に入られたいという気持ちから、お世辞を言ったり、オベ

ッカを使うことはよくあることです。しかし、必要以上にオベッカ

を使うことはありません。

 正直に自分の考えを表明して、それで自分のことを好きになって

くれるか、それとも嫌いになるのかは相手の判断で、こちらで決め

ることではない、といった大らかな気持ちでいるほうがいいでしょう。

 江戸時代の禅僧、宗益が、こんな言葉を残しています。

「人の恋著を惹くことなかれ」というものです。

「恋著を惹く」とは、「相手に気に入ってもらいたいと、お世辞を

言ったり、オベッカを使うこと」を意味しています。

 そういうことをすると、心が乱れることになるのです。

 仏教には、「ふだん人が口にする言葉が、その人の心の平安に強

く影響する」という考え方があります。

 相手に気に入ってもらいたいと、お世辞を言ったり、オベッカを

使うということは、ある意味「心にもない言葉を言う」ことです。

 ときには、「ウソをつく」こともあるでしょう。「相手をだます

言葉を言う」こともあるでしょう。

 しかし、そのような「真実ではない言葉」の数々は、その言葉を

述べた本人の心に影響を与えます。その人の心を汚し、乱すのです。

 お世辞を言ったり、オベッカを使った後は、何となくイヤな気分

がするものです。

 その「イヤな気分」が、心が汚れ、乱れた証しでしょう。

 会う人会う人に、そんな「心にもない言葉」を言い続ければ、心

はどす黒くなるほど汚れ、取り返しのつかないほど乱れてしまうで

しょう。

 心安らかに生きていくためには、必要以上にお世辞を言ったり、

オベッカを使ったりしないことが大切です。

植西 聰 氏

2015年12月24日 (木)

【69】「動じない心」の作り方

第9章

 人間関係で動じないための心得

 〇やましい行いは、心を乱す原因になる

 平安時代の仏僧で、真言宗の開祖である空海が、次の言葉を残し

ています。

「心不浄なるときは、仏を見ず」というものです。

「心不浄なるとき」とは、「心にやましいことがあるとき」という

意味でしょう。

 より具体的に言えば、次に挙げるものが「心にやましいことがあ

るとき」だといえます。

 * うまいことを言って相手をだまし、利益を得ようとしている

   とき。

 * 本当は自分の失敗なのに、他人のせいにして責任逃れをして

   いるとき。

 * 自信などないのに、わたしに任せてくださいと虚勢を張って

   いるとき。

 * 過去に行った悪行を隠して、善人ぶったふるまいをしている

   とき。

 * 「あなたのためを思って言っているんです」と言いながら、

   じつは自分の利益しか考えていないとき。

「仏を見ず」とは、言葉通りに訳せば、「仏教への信仰を失ってい

る状態」ということになると思います。

 しかし、この言葉には、いろいろな意味に解釈できます。

 たとえば、「心の安らぎを失い、もしや、やましい言動がバレて

しまうことになるのではないかという不安と恐怖に苦しむことにな

る」といった意味にも解釈できるのではないでしょうか。

 つまり空海は、この言葉で、

「自分の利益のために、やましいことを言ったり、やましい行ない

をするのだろうが、その結果、心が乱れ、苦しい思いをしなければ

ならないのは自分自身なのだ」

と教えているように思われます。

 仏教には「因果応報」という言葉もあります。「悪いことをすれ

ば、その報いとして災いを受ける」という意味です。人間はやはり、

ウソをつかず、人をだまさず、正直に生きていくことで、大きな安

らぎを得ることができるのではないでしょうか。

植西 聰 氏

2015年12月22日 (火)

【68】「動じない心」の作り方

第9章

 人間関係で動じないための心得

 〇一人になる時間を大切にする

 ある精神科医が言うには、「人づきあいがいい人ほど、キレやす

い」そうです。

 気心の知れた人たちと一緒に食事をしたり、遊びに行ったりする

ことは、とても楽しいものです。

 また、自分とは違った考え方や趣味を持つ人と話をするのは、自

分にとって、いい刺激にもなります。

 仲間たちと議論し合ったり、力を合せたりして、大きな仕事を成

し遂げることは、大きな喜びにもなります。

 しかし、人づきあいは、仕事でのものにしろ、遊びでのものにし

ろ、マイナスに働くと「精神的に疲れる」のも事実です。

 人づきあいは楽しいものばかりではありません。わずらわしい人

づきあい、腹が立つ人づきあいもあります。

 そのようなことで溜まったストレスを、「一人になる時間」は解

消してくれます。

 一人になる時間は、人づきあいで溜まった疲れを癒してくれるの

です。

 ですから、人は、一人になる時間を大切にする必要があります。

 しかし、「人づきあいがいい人」は、そのような一人になれる時

間が少ないのです。

 朝から夕方までいろいろな人とつきあい、夜はまた誰かと遊びに

出かけます。

 一人になる時間は、トイレかお風呂に入っている時間、また寝る

時間だけです。

 しかし、それでは人づきあいで溜まったストレスは癒されません。

ですから、そのために心が乱れて、ちょっとしたことでキレやすく

なります。

 いくら人づきあいがいい人であっても、キレやすい人は結局相手

から嫌われてしまうでしょう。

 よき人間関係を保つためには、一人になる時間を多く取ることが

必要なのです。

植西 聰 氏

2015年12月21日 (月)

【67】「動じない心」の作り方

第9章

 人間関係で動じないための心得

 〇断りたいことはきちんと断る

 相手からの頼まれ事を「断れない」と言う人がいます。

 ある女性も、断れない人の一人です。

 彼女は、「断ろうと思うと心臓がドキドキしてきて、気持ちが動

揺して、断ることが怖くなってきて、つい、いいですよ、と言って

しまいます」と語っていました。

 しかし、本当は断りたいことなのに引き受けてしまうと、あとで

自分自身がつらい思いをしなければならなくなります。気が進まな

いことをすると、ストレスが溜まりますし、また「眠れなかった自

分」に強い自己嫌悪を感じる結果になります。

 なぜ断ろうと思うと、心臓がドキドキしてくるのでしょうか。

 気持ちが動揺するのでしょうか。

 なぜ断ることが怖くなってくるのでしょうか。

 それは、もし自分が断れば、「相手は怒るだろう」「自分を、な

んて親切心のない、冷たい人間なんだと思うだろう」と想像してし

まうからです。

 しかし、それは思い過ごしです。

「お断りします」と答えても、相手は怒りもしませんし、こちらを

冷たいと非難することもないでしょう。

 もし相手が怒ったり、冷たいと言ってきたりしたら、その相手は

自分のことしか考えない、わがままな人間である証しです。

 そのような相手からの頼まれ事は、はじめから断って正解だった

のです。

 ただし、断るときの「ものの言い方」には注意が必要です。

 * 「申し訳ないけど」というひと言を添えること。

 * 引き受けることのできない理由を、きっちり伝えること。

 この二点さえ頭に入っていれば、きっぱりと断れるようになるで

しょう。

 そして、「断れない自分」への自己嫌悪からも解放されます。

植西 聰 氏

2015年12月17日 (木)

【66】「動じない心」の作り方

第9章

 人間関係で動じないための心得

 〇苦手なタイプと無理に仲良くなろうと思わない

 学生時代には「苦手なタイプの人」とは、無理をして友だちにな

る必要はありませんでした。

 しかし、社会人になると、そうはいかなくなります。

 苦手なタイプの人であろうとも、その相手が職場の上司や同僚、

取引先、ご近所の人、ママ仲間であったりすれば、つきあっていか

なければなりません。

 とはいえ、苦手なタイプの人とつきあうことは、心理的な負担に

なります。

 自分自身、無理をして話をあわせたり、無理をして笑ったり、無

理をして行きたくない場所へつきあったりしなければならないから

です。

 それが精神的なストレスになって、体調を崩してしまう人も実際

にいます。

 また、自分の友人や家族に八つ当たりして、身近な相手との人間

関係がギクシャクしてしまうというケースもあるようです。

 これは、苦手なタイプの人と「仲良くやっていきたい」という気

持ちが強すぎることが原因です。

 いくら職場や近所の人であろうとも、苦手なタイプの人と無理に

仲良くする必要はないのではないでしょうか。

 事務的に、ほどほどに、つきあっていけばいいのです。

 これは、「適当につきあえばいい」という意味ではありません。

 社交上のマナーだとかルールはきっちり守りながら、ある程度、

距離を置いてつきあっていけばいい、という意味です。

 無理に仲良くなるのではなく、かといって他人行儀になってしま

うのではなく、ちょうどいい距離感でつきあう、ということです。

 そうすれば精神的なストレスも少なくなり、苦手なタイプの人と

のつきあいで心が乱れたり、動じたりすることもなくなるでしょう。

植西 聰 氏

2015年12月16日 (水)

【65】「動じない心」の作り方

第9章

 人間関係で動じないための心得

 〇他人に「当たり前のこと」を求めない

「親切にしてあげたんだから、お礼を言うのは当たり前だ」

「若いんだから、年上には遠慮するのが当たり前だ」

「男なんだから、女性にやさしくて当たり前だ」

「ベテランなんだから、仕事ができて当たり前だ」

「営業マンなんだから、サービスして当たり前だ」

 このように言って、怒っている人がいます。確かに、怒って当然

のことばかりです。

 しかし、世の中には、そんな「当たり前」のことができない人が

たくさんいるのが現実なのではないでしょうか。

 当たり前のことができない人に、いちいち腹を立てていたら、一

日中怒っていなければならなくなるでしょう。

 ですから、「こうするのは当たり前だ」という考え方を捨てたほ

うがいいのではないでしょうか。

 他人に親切にするときには、「お礼」など求めないことです。

 ただ「自分が親切にしてあげた」「相手の喜ぶ顔が見られた」と

いうことだけに満足するようにしましょう。

 人に何かを期待するのはやめましょう。「何か特別なことをして

くれたら、もうけものだ」くらいの考えでいましょう。

 そのほうが動じない心で、安らかに暮らしていけます。

 一方で「当たり前のことを、ちゃんとできる人」との人間関係は、

大切にしていくべきです。というのも、最初に述べたように、今の

世の中、当たり前のことができる人は数少ないからです。

 当たり前のことができる人を大切にしていけば、その人はきっと、

よき友人、よき相談相手、よきアドバイザーになってくれるでしょう。

植西 聰 氏

2015年12月 2日 (水)

【64】「動じない心」の作り方

第9章

 人間関係で動じないための心得

 〇他人を「自分の思い通りにしよう」と思わない

 人間関係でイライラ、ムカムカしてしまう原因の一つに、「他人

を自分の思い通りにしたい」という思いがあります。

「恋人には、自分のことだけを考えていてほしい」

「自分の命じた通りに職場の部下を動かしたい」

「友人のせっかちな性格を直したい」

「上司は、もっと部下思いになるべきだ」

 このような感情です。

 しかし、相手には相手の都合や生活というものがあります。こち

らが思っている通りにならないことも多いでしょう。

 たとえば、「恋人に自分のことだけを考えていてほしい」と思っ

ていても、恋人にはやらなければならない仕事があるでしょうし、

夢や願望もあるはずです。また、人間関係もあるでしょう。

 ですから、「自分のことだけを」と思っても、それは無理なこと

なのです。

 その無理なことを願い続けると、「どうして恋人は、自分のこと

だけを考えていてくれないのか」と不満が溜まり、イライラ、ムカ

ムカといった感情がわき起こります。

 すると、心が乱れて、「じつは、あの人はわたしのことが好きで

はないのではないか」「それは、わたしに魅力がないからではない

か」といった思いが、頭の中を駆けめぐるようになるでしょう。そ

の結果、気持がうわの空になっていき、自分自身の日常生活にも、

いろいろな支障が出てくるのです。

 相手を自分の思い通りにしたい、と思うのはやめましょう。

「半分くらい自分の願いをかなえてくれれば、それで満足だ」とい

うくらいの気持ちでいましょう。

 それが人間関係で「動じない心」を保つコツになります。

植西 聰 氏

2015年12月 1日 (火)

【第8章のポイント】「動じない心」の作り方

第8章「あがり症」を克服して自信を持つ

 姿勢を正し、呼吸を整えることで、

 気持が動じなくなる。

 自分を「よく見せたい」

 と思わない。

 イメージトレーニングで、

 自分に自信を持つ。

 緊張しているときは、正直に

 そう伝えると気持ちが落ち着く。

「笑い」が、緊張した

 場面から救ってくれる。

植西 聰 氏

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