行動

kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)

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2016年3月

2016年3月31日 (木)

【第五章のポイント】幸運は不運のあとにやってくる

第五章

 逆境から抜け出すためには

●運命がよい方向に変わるときに生じる現象が、「人生のデトック

 ス作用」

●逆境に見舞われたら、事態の推移を冷静な目で見守り、できるだ

 け安静に努める。

●逆境に見舞われると、心の中はクリーンな状態となる。

●不運に見舞われたときは、自然の流れに身を任せてしまう。

●不運を受け入れたほうがいい場合もある。

●「もうどうなってもいい。好きにしろ。勝手にしろ」と感がると、

 不運のエネルギーはだんだんと弱まる。

●逆境のときは、心がマイナスに傾きやすくなるので、歯止めをか

 ける。

●困難に立ち向かっていくと、順境に転じることもある。

●逆境のときは、「得たものをすべて失ってもいい」くらいの気持

 ちでいる。

●逆境というのは、神様がその人を幸せな方向に導こうとする「生

まれ変わりの儀式」のようなものである。

植西 聰 氏

2016年3月30日 (水)

【47】幸運は不運のあとにやってくる

第五章

 逆境から抜け出すためには

 デトックスによる「万物流転」も悪くない

 この宇宙や地球上に存在するすべてのものは、一定の場所にとどまる

ことなく、移り変わっていきます。

 水がいい例です。

 海の水は蒸気となって雲に変化します。

 雲は雨となって、大地に降り注ぎ、滝の水から川の水へと姿を変えて

いきます。

 また、土に降った雨は野菜や果実の養分となり、野菜や果実を育てる

役目も果たしてくれます。

 その野菜や果実といった食べ物も、私たちの身体の中へ入っていき、

エネルギーに転化していきます。

 言い換えると、すべてのものは姿・形を変え、生きつづけているので

す。

 人生も同じです。

 逆境によって100パーセント方向転換を余儀なくされたら、一つの

人生に固執しないで、夢を持って新たな人生を踏み出せばいいのです。

 そうすれば、本当に自分らしい生き方が発見できるかもしれません。

 一つの仕事に挫折したら、まったく別の新たな仕事に就けばいいので

す。

 そうすれば、才能が存分に発揮できるかもしれません。

 人生には終わりがありません。

 姿・形を変えながら、絶えず、成長・進化を遂げようとしています。

 結論的にいえば、逆境というのは、神様がその人を幸せな方向に導こ

うとする「生まれ変わりの儀式」のようなものなのです。

 したがって、その儀式を終えれば、その人は成長・進化を遂げ、真の

意味での幸福な人生が歩めるようになるのです。

植西 聰 氏

2016年3月29日 (火)

【46】幸運は不運のあとにやってくる

第五章

 逆境から抜け出すためには

 得たものを捨てて生きてみる

 逆境に見舞われると、夢も希望も持てなくなることがあります。

 人生に嫌気がさすこともあります。

 そういうときは、得たものを捨てて生きてみるのも一つの方法です。

 平安時代の末期に西行法師という僧侶がいました。

 西行は元々朝廷を警護する武士で、平清盛とは同じ釜のメシを食った

仲間でした。

 その西行に、あるとき、太政大臣になった清盛がこう尋ねたことがあ

りました。

 「武士だったことのお前はいつも暗そうな顔をしていたが、今はなぜ

そんなに明るい表情をしているのか」

 すると、西行は次のように答えました。

 それは、武士という身分も屋敷もすべて捨てたからだ。

 そういったものがあると、それを維持しようとするあまり、躍起にな

る。

 そうなると、心は休まらない。むしろ、心を悩ませることになる。

 しかし、そういったものを捨てれば、しょせん、すべては些細なこと、

どうでもいいように思えてくる。

 躍起になることもないし、心を悩ませることもない。

 だから、明るい表情でいられるのだ。

 逆境に見舞われると、人は地位や肩書きなど、得たものを失うことを

恐れます。

 それならば、それを逆手に取って「得たものをすべて失ってもいい」

くらいの気持ちでいるほうがいいでしょう。

 そうすれば、失うものがこれ以上ないわけですから、心を悩ませる頻

度も減り、気楽な気持ちで生きられるようになります。

 すると、逆境も短期間で終わる可能性があるのです。

植西 聰 氏

2016年3月28日 (月)

【45】幸運は不運のあとにやってくる

第五章

 逆境から抜け出すためには

 困難に飛び込んでいくと、状況が変わることがある

 明治から大正期にかけて森田正馬という日本の草分け的な精神科医が

いました。

 その森田氏が編み出した精神療法の一つに「恐怖突入療法」というも

のがあります。

 「恐怖突入療法」というのは、わかりやすくいうと、苦手としている

ものがあったとき、そこから逃げずに向き合い、立ち向かっていくこと

で、苦手意識から湧き起こる精神疾患を克服する治療法のことをいいま

す。

 「人前で話すのが苦手である」というならば、スピーチを買って出た

り、会議で率先して発言するのです。

 「一人で乗り物に乗ると動悸がする」というならば、A駅とB駅、一

区間でもいいから一人で電車に乗るようにするのです。

 こうして困難と闘い、困難を克服することで、自信をつけ、少しずつ

症状を改善していくことを目的としています。

 逆境や困難はしつこいところがあり、それから逃れようとすると、ど

こまでも追いかけてきて、その人につきまとおうとします。

 それを逆手にとって、困難が押し寄せてきても、逃げることなく、立

ち向かっていくようにするのです。

 苦手なセールスの仕事をするように上から命令されたら、逆にどんど

んやってみるといいでしょう。

 見知らぬ地方に左遷の憂き目にあったら、とりあえず暮らしてみると

いいでしょう。

 その際のポイントは「必ずうまくいく」を口ぐせにすることです。

 そうすれば、気負うこともないし、不安もなくなります。

 むしろ、困難は自分に都合よく転じていき、そこから幸運の種がつか

めるようになるでしょう。

植西 聰 氏

2016年3月25日 (金)

【44】幸運は不運のあとにやってくる

第五章

 逆境から抜け出すためには

 逆境に見舞われたら、負の連鎖に気をつける

 逆境に見舞われたときは、悪いものが出ていったと考えることがポイ

ントになります。

 その際、負の連鎖に陥らないように努めることも大切になります。

 逆境に見舞われると、時と場合によっては、ヤケになって他人に対し

て悪態をつくようになります。

 人によっては、それが暴言となって現れることもあります。

 そうなると人間関係まで支障をきたすようになります。

 つまり、職場だと上司や同僚からも嫌われ、孤立し、家庭だと夫婦げ

んかがたえなくなり、子どもからも煙たがれるようになります。

 その状態を放置しておけば、最悪、会社を退職したり、別居や離婚問

題にまで進展しかねません。

 これが、負の連鎖というものです。

 したがって、逆境に陥ったときは愚痴や悪口を慎んだ坊がいいでしょ

う。

 愚痴や悪口を口にすると、当然、自分の耳から自分の心にも入ってい

きます。

 それはマイナスの想念を心の奥底にインプットすることにほかなりま

せん。

 すると、マイナスのエネルギーが消滅するどころか、マイナスのエネ

ルギーをチャージすることになります。

 つまり、本来なら、数カ月で終わるはずのデトックスが半年、一年…

…と長くつづくようになるのです。

 したがって、逆境に見舞われたときは、ただでさえ心がマイナスに傾

きやすくなるので、それに少しでも歯止めをかけることが大切になって

きます。

 「悪いことを思えば、ますます悪いことが起こる」

 この心の法則をぜひとも反面教師にしたいものです。

植西 聰 氏

2016年3月24日 (木)

【43】幸運は不運のあとにやってくる

第五章

 逆境から抜け出すためには

 逆境に見舞われたら、思いきって開き直る

 逆境に見舞われたら、もがいたり逆らったりしないで、あえてそれを

受け入れてしまうことが大切です。

 その一方で、あくまで前向きに明るく考えるようにするのもいいでし

ょう。

 商社に勤めるある男性は、会社をリストラされてしまったことがあり

ました。

 しかも、「泣きっ面にハチ」とはよくいったもので、その直後、奥さ

んとも別居し、挙句の果てには交通事故にあい、入院してしまいました。

 このとき、その男性は次のように思ったというのです。

 「これで悪いものが全部出ていった。これからはいいことがたくさん

起こるようになるだろう」

 すると、どん底状態から一変して、本当にいいことが起こりました。

 退院後、知人の斡旋で再就職に成功し、間もなくして別居していた奥

さんとヨリを戻したばかりか、念願だった公認会計士の資格を取ること

ができたのです。

 逆境に見舞われると、確かに精神的につらくなります。

 そのとき「この危機的状況から何とかして抜け出したい」と思い続け

ていると、余計、状況が悪化してしまうことがあります。

 逆に、この男性のように「これで悪いものが全部出ていった。これか

らはいいことが起こる」という信念のもと、前向きに、積極的に考える

ようにすれば、状況の悪化に歯止めをかけることができます。

 前向きに考えれば、不運のエネルギーはだんだんと弱まるようになり

ます。

 むしろ、水面下に潜んでいる幸運エネルギーがいち早く覚醒するきっ

かけになることもあるのです。

植西 聰 氏

2016年3月23日 (水)

【42】幸運は不運のあとにやってくる

第五章

 逆境から抜け出すためには

 逆境の現実を受け入れる

 近年、地球の天候は不安定になっています。

 カンカンに太陽が照りつく日があれば、ゲリラ豪雨のような激しい雨

が降る日もあります。

 台風による大雨と大風の日に見舞われる日もあれば、竜巻や突風が起

きる日もあります。

 こうした「自然の気候のよし悪し」は人間の力ではどうにもなりません。

 人知を超えた自然現象に対しては、その事実を謙虚に受け入れ、その

なかで災害に見舞われないように細心の注意を払いながら生きていくし

かありません。

 逆境も同じです。

 逆境はいついかなる形でやってくるかわかりません。

 しかも、それに逆らおうとすると、余計、事態が悪化してしまう可能

性があります。

 そこで、そういうときは、もがいたり逆らったりしないで、あえてそ

れを受け入れてしまうといいと思います。

 たとえば、恋人から別れ話を切り出されたら、ヨリを戻すように努力

することも大切ですが、それでも相手が一方的に別れたいと言ってきた

ら、それを受け入れてしまうのです。

 会社から解雇通知を出されたときも、会社に残れるように最善を尽く

すことはもちろん大切ですが、ラチがあかないと思ったら、それを受け

入れてしまうのです。

 もちろん、そのときはつらく悲しい思いをするでしょう。

 お先真っ暗闇のように思えてくるかもしれません。

 生きる張り合いもなくなってくるでしょう。

 しかし希望を持ち続ければ、逆境が去ったあと、その人は水面下にた

めた幸運エネルギーによって、素晴らしい幸運を引き寄せることができ

るようになるのです。

植西 聰 氏

2016年3月22日 (火)

【41】幸運は不運のあとにやってくる

第五章

 逆境から抜け出すためには

 逆境の最中は流れに逆らわない

 「地方に左遷されてしまった」

 「失恋したショックで病気になってしまった」

 などなど、逆境の最中にいるのはつらいものがあります。

 そういうときは流れに逆らわないで生きることが大切です。

 仏教の開祖・ブッダ(釈迦)は、弟子から「困難に見舞われたときは、

どう対処したらいいか」と尋ねられたとき、次のように答えたといいます。

 あの渓谷にある川の激流を見てごらん。

 あの激流に身を任せた自分を想像してごらん。

 渓谷の激流には大小さまざまな岩が方々に点在している。

 激流に身を任せ、川を下ろうとすると、岩にぶつかって痛い思いをする。

 それでも流れに身を任せながら川を下って行けば、流れがだんだん穏

やかになり、しまいには大河に行き着く。

 人生もまったく同じである。

 つらいときは、人生の激流に逆らわないことだ。

 幸と不幸は表裏一体です。

 不運のあとには、必ず幸運がやってきます。

 したがって、不運に見舞われたときは、幸運の出番を待って流れに逆

らわないことです。

 目標だけはきちんと持って自然の流れに身を任せてしまうことです。

 運命を神様にゆだねてしまうくらいの気持ちでいるといいでしょう。

 そうすれば、運命の荒波はだんだんと穏やかになり、いずれ幸運とい

う名の大河に行き着くようになるでしょう。

植西 聰 氏

2016年3月18日 (金)

【40】幸運は不運のあとにやってくる

第五章

 逆境から抜け出すためには

 人生のデトックス作用は心の大掃除のようなもの

 人生のデトックス作用はなぜ起きるのでしょうか。

 これは心の法則が大きく関係しています。

 私たちはよくも悪くも毎日いろいろなことを考えながら生きています。

 そして、それは想念となって絶えず心の奥底にインプットされています。

 それも「うれしい」「楽しい」といったプラスの想念だけでなく、「

悲しい」「悔しい」といったマイナスの想念にも反応し、エネルギーと

して蓄積されます。

 興味深いのは、心の奥底には、それをさまざまな形で現象として現す

働きがあることです。

 つまり、ある程度のエネルギーがたまると、心の奥底はそれを排除し

ようとします。

 そのとき、マイナスの想念によって蓄積されたエネルギーは「仕事の

挫折」「人間関係のトラブル」「病気やけが」「失恋」といった形とな

って現れるようになります。

 それが「人生のデトックス作用」なのです。

 結論的にいえば、「人生のデトックス作用」とは、私たちの心の奥底

に蓄積されたマイナスの想念が現象となって現れたものなのです。

 しかし、「逆も真なり」で、私たちはそこに希望を見い出すことがで

きます。

 デトックス作用というのは、その人の心の中に蓄積されていたマイナ

スの想念がエネルギーとなって外に放出された証拠であるからです。

 おできができて、ウミを出しているときは、とても痛いですが、ウミ

を出しきれば、痛みはおさまり、おできも治るようになります。

 原理はそれとまったく同じです。

 マイナスの想念というウミを出しきれば、心の大掃除が完了したこと

になるため、心の中はクリーンな状態となり、今度は幸運エネルギーの

出番となります。

つまり、それからはハッピーな現象がたくさん起きるようになるのです。

植西 聰 氏

2016年3月17日 (木)

【39】幸運は不運のあとにやってくる

第五章

 逆境から抜け出すためには

 焦れば焦るほど、不運のエネルギーは増大していく

 マッチをつけない状態では、火は形になって現われません。

 しかし、マッチをつければ火は形となって現れ、しばらくすると消え

ます。

 では、マッチでつけた火が燃えている最中に、油を注いだらどうなる

でしょうか。

 火は弱まるどころか、いっそう激しく燃え盛るようになります。

 これを人生のデトックス作用の最中に例えてみると、焦る、怒る、と

いったマイナスの感情を抱くことが火に油をそそぐ行為につながります。

 デトックスの最中は、「やりたい仕事に就けない」「成果が上がらな

い」など、物事が停滞し、なかなか自分の思いどおりにはいきません。

 そういうとき焦ったり、怒ったりするとどうなるでしょうか。

 余計、うまくいかなくなります。

 余計うまくいかないと、ますます焦り、怒りの感情が増大します。

 すると、さらにうまくいかなくなります。

 つまり、マイナスのスパイラルに陥ってしまう可能性があるのです。

 したがって、そういうときは必要以上にうろたえることなく、事態の

推移を冷静な目で見守り、できるだけ安静に努めることが大切になります。

 繰り返しいいますが、不運にはエネルギーがあります。

 そして、それは形に現れると消滅するようになっています。

 この消滅を早めるためには、怒ったりしないで、できるだけ心を前向

きにするのが一番なのです。

 そうすれば、いずれ不運のエネルギーは消滅し、代わりに幸運のエネ

ルギーが形となって現れるようになるでしょう。

植西 聰 氏

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