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kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)

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2017年7月

2017年7月28日 (金)

【21】洪水を起こす

本田宗一郎 100の言葉
第2章 経営

人間にも会社にも
洪水は必要なんですよ。
洪水を起こさなけりゃ
ウチみたいな後発の会社は
どうにもならなかった。

 

 宗一郎の故郷を流れる天竜川では、しばしば大規模な洪水が起
きた。それは地域住民にとって悩ましい自然災害であったが、そ
の一方で川底の石をひっくり返し、汚れや澱みをきれいに流して
川の生態系を生き返らせる効果もあった。

 宗一郎の言う「洪水」とは、従来の常識を覆す激しい力のこと
だった。

 人間や企業が成長するためには、新陳代謝を強制的に促す「洪
水」が必要である。宗一郎の荒々しい人生の一端を垣間見る言葉
である。

 

別冊宝島編集部 偏

2017年7月27日 (木)

【20】99%の失敗

本田宗一郎 100の言葉
第1章 仕事

新しい大きな仕事の成功のカゲには
研究と努力の過程に
99%の失敗が積み重ねられている

 

 1973(昭和48)年、宗一郎は無二のパートナーである藤
沢武夫とともに、ホンダ社長を退任し、45歳の河島喜好に後任
を託した。

 その際「退陣のご挨拶」として社内に向けたメッセージの一節
が上の言葉である。

 名経営者として祭り上げられることを何より嫌った宗一郎だっ
たが、そこには1%の成功よりも、自身の人生のほとんどを占め
る挫折と苦難と失敗に満ちた時間にこそ、本当の価値が詰まって
いるという人生観が見え隠れする。

 

別冊宝島編集部 偏

2017年7月26日 (水)

【19】「修理」の極意

本田宗一郎 100の言葉
第1章 仕事

修理という仕事は
単に自動車をなおすだけではダメだ。
故障の原因と措置を説明すれば
お客さんの心も修理できる。

 

 16歳で東京に出て、「アート商会」で修理工の見習いを始め
た宗一郎。「技術は人間のためにある」という信念は、奉公時代
の経験に培われた。

 クルマを壊したお客さんは不安を抱き、また動揺している。そ
こで故障の原因と措置をしっかりと説明することで、ひとつの修
理は単なる技術の技術的修復から人間の幸福へと昇華する。

 現在の企業が重視する顧客満足のための説明と配慮について、
宗一郎はすでに戦前からその重要性を理解し、実践していたので
ある。

 

別冊宝島編集部 偏

2017年7月25日 (火)

【18】渋茶一杯

本田宗一郎 100の言葉
第1章 仕事

鈴鹿市に工場建設を決めた。
あちこちの候補地を見て回ったが
くだらない接待ばかりだった。
鈴鹿市の場合
出たのは渋茶一杯だ。

 

 鈴鹿サーキットで知られる三重県鈴鹿市は、ホンダの工場が立
ち並ぶ工業地帯である。

 この地にホンダが進出したのは1960年代初頭のことだった
が、数ある候補地の中で決め手となったのは、鈴鹿市の清廉な姿
勢だった。

 多くの自治体はホンダの一行を知事や市長が出迎え、話は後回
しにされ料亭で接待。しかし鈴鹿市は金のかかる応対はせず、か
わりに用地の現場に旗を持った職員を立たせ、明快に土地の面積
を示すなど合理的な説明に終始した。

 

別冊宝島編集部 偏

2017年7月24日 (月)

【17】20分の1馬力

本田宗一郎 100の言葉
第1章 仕事

人間の労働能力は
馬力で計算すると
20分の1馬力しかない。
人間が「考える能力」を
捨てたらそんなもんだ。

 

 

 人間が一日コツコツ働いた場合の「出力」は20分の1馬力で
あり、これは40ワットの電機扇風機のモーター出力と同程度で
ある---エンジンに詳しい宗一郎ならではのたとえ話である。

 人間が、その特権である「考える能力」を放棄したとしたら、
労働力は「ポンコツの機械」以下となってしまう。

「『動く』と『働く』の違いは左側にニンベンが付くか、付かな
いかだ。人間である以上は頭を使え。そうすれば無限大の能力を
引き出せる」

 

別冊宝島編集部 偏

2017年7月20日 (木)

【16】120%の良品

本田宗一郎 100の言葉
第1章 仕事

不良品の割合が
1000台に1台しか
なかったとしても
それをつかまされた
お客さんにとっては
1台のなかの1台だ。

 1954(昭和29)年ごろ、当時のホンダは一定の
割合で製品の抜き取り検査をして安全確認を行っていた。

 ある幹部が宗一郎にこう説明した。
「1000に1つくらいは目こぼしがあるのは仕方がな
いと思います」

 すると宗一郎は顔を真っ赤にして怒った。
「たとえ1000に1つの不良品でも、運悪く当たって
しまったお客さんには関係のない話。100%ではなく、
120%の良品を目指せ!」

 

別冊宝島編集部 偏

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