行動

kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)

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2018年9月

2018年9月30日 (日)

【81】「笑い」は世界のパスポート

本田宗一郎 100の言葉
第4章 生きる

「笑い」は万国に通じる
パスポートだ。
言葉と思想の違う
人間どうしの「心の窓」を
開かせる鍵となる。

 遊び心は優れたアイデアにつながる。宗一郎は常々、欧米人の
ジョークのセンスを高く評価していた。

 ミシガン工科大学のスミス学長に「あそこにいるヤマアラシの
味はどうですか」と冗談交じりに聞いた宗一郎。スミス学長はこ
ともなげにこう返した。

「味は中くらいですかな。でも、アイツはアフター・サービスが
いい。なんたって爪楊枝がついているからね」

 尊敬されるよりも親しみを感じさせる人間でありたい。それが
宗一郎の考えであった。

別冊宝島編集部 偏

2018年9月29日 (土)

【80】人生の着陸

本田宗一郎 100の言葉
第3章 人生

オレはもと飛行機屋だ。
飛行機乗りの鉄則は
終わり良ければすべて良しなんだ。
人生の着陸だけは
立派にやりたいと思う。

 宗一郎のメカニック人生の原点は、少年時代、浜松にやってき
た曲芸飛行のスーパースター、アート・スミスの飛行ショーをよ
じ登った松の木の上から見たことだった。

 人生にも離陸と着陸がある。どんなに途中が良くても着陸に失
敗すればすべては台無しになってしまう。

 晩節を汚さぬようことに細心の注意を払っていた宗一郎は、金
や名誉に執着することを自ら戒め、「他人に喜ばれることをした
い」と宣言し、それを実践してみせた。

別冊宝島編集部 偏

2018年9月27日 (木)

【79】牛乳配達人の健康

本田宗一郎 100の言葉
第3章 人生

健康のために
牛乳を飲むヤツより
牛乳を配達する
ヤツのほうが健康だ。
オレは配達するほうになりたい。

 企業としてのホンダに精通していた経営評論家の梶原一明に生
前の宗一郎が語った言葉である。

 逆説的な視点から物事の本質を言い当ててみせる言説は宗一郎
の得意とするテクニックだったが、それは濃密な人生経験と根っ
からのユーモア精神があいまった「芸術」ともいえるものだった。

 宗一郎はまた、梶原にこんなふうにも語っていた。

「誰でも伝記作家のために人生をいきてきたんしゃねえや」

 痛快な至言である。

別冊宝島編集部 偏

2018年9月26日 (水)

【78】自宅を忘れる

本田宗一郎 100の言葉
第3章 人生

すみません。
本田さんの家はこちらでしょうか。

 昭和30年代、宗一郎は新しい自宅を買った。新居に引っ越し
た当日の夜、家路についた宗一郎は自宅の場所を忘れ、途方に暮
れてしまう。

「そういえば門柱の溶接が下手だったな」

 手がかりを思い出した宗一郎は、月明かりを頼りに付近の家の
門柱を調べて回り、やっとそれらしき家を見つけた。だが確証が
持てない。

 呼び鈴を押して、あり得ない質問をすると、顔を出したのはあ
きれた表情のさち夫人だった。宗一郎の伝説である。

別冊宝島編集部 偏

2018年9月22日 (土)

【77】明日の約束

本田宗一郎 100の言葉
第3章 人生

日本は四季の変化がある。
それも毎年同じじゃない。
そこがまたいい。
まわりが変わるということが
人間には刺激になるんですよ。

 歳を重ねても若々しい精神を失うことがなかった宗一郎は、い
つも動き続け、変化が多い環境を好んだ。

 人間は好奇心がなくなると変化を煩わしく感じ、心の安らぎを
求めて変わらぬものを愛好するようになるが、宗一郎の場合は正
反対であった。

 老後は外国で暮らすというという考えはないかと問われ、日本
が良いと答えた宗一郎。

「ハワイなんか、まるでペンキ画のようなもので、一年中変わら
ない。あれじゃしげきになりません」

別冊宝島編集部 偏

2018年9月20日 (木)

【76】明日の約束

本田宗一郎 100の言葉
第3章 人生

明日のことを言うヤツは
バカだというけれどそうじゃない。
明日の約束をしないヤツに
希望は湧いてこないんです。

 明日の成功を夢見て、ひたすら仕事に没頭した若き日を振り返
り、作家の城山三郎に「ホンダの成長をどこまで予想していたか」
と問われて語った言葉である。

 ホンダという会社がここまで大きくなるとは正直、思わなかっ
た。だが「明日のこと」はいつも考えていた。漫然と日々を過ご
すのではなくて、夢を持ち続けてそれを実現しようと意識してい
た。

 だからこそ、ここまで頑張ることができた---それが宗一郎
のいつわざる実感である。

別冊宝島編集部 偏

2018年9月18日 (火)

【75】5分の壁


本田宗一郎 100の言葉
第3章 人生

人間というものは
5分とそのままで
じっとしていられない
性質を持っている

 1960年代のあるとき、関係者を集めてホンダが参加してい
るレースの慰労会が開催された。

 だが、慰労の前にレースの報告が2時間に及び、集まった参加
者の参加者から私語が始まった。それを見た宗一郎は早々に報告
を切り上げさせた。そして、研究者の職員にこう言った。

「研究所員というものは、すべからく人間の気分を見抜かなけれ
ばいけないだろう。技術屋だからこそ人間の機微に触れるという
根本の哲学を持っておくべきだ」

別冊宝島編集部 偏

2018年9月17日 (月)

【74】床屋問答

本田宗一郎 100の言葉
第3章 人生

遊ぶために働いているんだから
床屋にきて
1時間もかかってたまるかい。

 床屋に行った宗一郎がこうお願いした。
「オレは毛が少ないんだし15分でやってくれ」

 すると主人は言う。
「あんたは遊ぶヒマがあるんだから、その時間に来てくれればい
いじゃないか」

 すると宗一郎は間髪入れずに、そう悠長なことは言ってはいら
れないと反論したのである。

 有限な人生においてスピードは大きな価値となる。仕事を通じ、
距離を時間に置き換え続けた宗一郎のライフワークは「時間との
闘い」であった。

別冊宝島編集部 偏

2018年9月15日 (土)

【73】報道と時代

本田宗一郎 100の言葉
第3章 人生

僕にしても『太陽の季節』
以上の無茶なことをしてきた。
幸か不幸か報道されなかっただけだ。

 メディアの発達によって、あらゆる事件が大きく報道されるよ
うになると、相対的に悪い時代になっているように印象づけられ
る。

 しかし、敗戦から立ち直る原動力となったのは若い力であり、
世の中を批判したり若い世代の価値観を悲観したりする必要はな
いと宗一郎は考えていた。

「過去を持っている人は、進歩的であるようにみえても、実は古
いところが多々ある。若い人のほうが本質的に民主的なものを身
につけていることは、ゆるぎない事実である」

別冊宝島編集部 偏

2018年9月11日 (火)

【72】友情の価値

本田宗一郎 100の言葉
第3章 人生

人間関係の最も基本的なものが
夫婦であり
最も洗練されたものが
友情だと思う。

 人間の幸福を支えるものは人間関係であるということを、宗一
郎はさまざまな形で言い表わしてきた。

 友情とは、信頼、尊敬、愛情の結晶であり、それは「秘密を守
る」ということで維持されると宗一郎は言う。

「それが社会のルールや人間のモラルに反する内容の秘密は別だ
が、そうでない限り、秘密を守るという行為のなかに、その人の
人格の要素となっているさまざまな精神的なものがにじみ出てい
ると思うからである」

別冊宝島編集部 偏

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